WordPress を使った EC サイト(WooCommerce利用)の複数出店者向け 「精算業務 自動化システム」を作りました

EC サイトの運営形態として「複数の作り手・パートナーが商品を並べている」というケース、実は身近によくあります。

例えば・・・

  • ハンドメイド作家が集まるマーケットプレイス型 EC サイト
  • 自社商品と、提携メーカー・卸業者の商品を同じ棚に並べる併売型 EC サイト
  • 個人事業主やインフルエンサーが自分の商品を出品するクリエイターズマーケット型
  • 自社開発プラグイン・テンプレートと、外部パートナー製プラグインを両方扱うデジタルコンテンツ販売型
  • 地域の生産者・店舗が集まる地域産品セレクトショップ型

こうした形態の EC サイトでは、「誰にいくら払うか」を毎月正確に計算し、精算書として発行する作業がつきものです。

で、当社でも マーケットプレイス型の EC サイトを運営しているので、上記のような作業が月次で発生します。

その度に「結構神経使う大変な作業なんだよね・・・」という感想を持っていたのですが「そろそろ卒業しよう!」と思い、精算業務のうち手数料計算・税務処理・書類作成という、もっとも間違えやすく、もっとも時間のかかる部分を自動化するシステムを作りました。

精算業務が「わずか数秒」で完了

これまで、以下のような作業を月次で 1 〜 2 時間ほどかけて行なっていましたが、システムを利用することで、約 2 〜 5 秒で完了しました。(EC サイトの規模によって集計データに差が出るため、数秒程度のばらつきがあります)

  • WooCommerce で月次の売上を絞り込む
  • 出品者別、製品別に仕分けして書類に反映
  • 注文別で Stripe の手数料に消費税が含まれている場合は、それも集計して書類にそれぞれ分離させて反映
  • インボイス登録事業者の有無で税務上必要な精算額の調整をして書類に反映
  • PDF 化

大幅な時間短縮はもちろん、人為的ミス(ヒューマンエラー)がない、というのも大きい魅力です。システム化することで、精算業務の超効率化を図ることができます。

サンプルデータ

実際に出力される PDF のサンプルです。

法人向けサンプル

個人向けサンプル

できること

1. 決済方法をまたいだ正確な売上集計

クレジットカード(Stripe)決済と銀行振込、それぞれの売上を自動で分けて集計します。 Stripe の決済手数料は銀行振込には発生しないため、この区別が精算額に直結します。

2. Stripe の実手数料を1件ずつ正確に取得

Stripe API から注文ごとの実際の決済手数料を取得します。カードの発行国やブランドによって手数料が変動するケースにも対応し、手数料にかかる消費税(リバースチャージ分)も自動で分離します。

3. 商品ごとの柔軟な分配ルール(例)

  • 出店者自身の商品:出店者 30% / 運営者 70%
  • 運営者商品の紹介販売:出店者 10% / 運営者 90%

商品側に WordPress のカスタムフィールドを設定するだけで、どちらの区分かを自動判定します。

4. インボイス制度への対応

出店者がインボイス登録事業者(適格請求書発行事業者)かどうかに応じて、 税務上必要な精算額の調整を自動で反映します。

5. 実務フォーマットに準拠した PDF 精算書

税理士監修の実運用フォーマットに合わせ、

  • クレジット/銀行振込 × 自社商品/紹介商品 の 4 区分ごとの明細
  • 消費税の内訳(小計・税額・税込合計)
  • 決済手数料の内訳
  • 報酬の計算過程
  • 振込先・登録番号・書類番号(通し番号)まで

を 1 ページの PDF に自動生成します。同じ商品が複数回売れた場合は数量をまとめ、「価格改定や割引が適用された商品の場合は自動で行を分ける」など、読みやすさにも配慮しています。

6. 宛名の敬称を自動判定

「株式会社」「合同会社」などを含む名前は自動で「御中」、 個人名は「様」を記載。個別に指定することも可能です。

7. 商品マスタの一括セットアップ

商品点数が数百・数千を超えるような場合でも、WooCommerce 標準の CSV エクスポート/インポート機能を使って、まとめて設定できます。

8. 異常検知とエラーの一覧化

  • 出店者区分が未設定の商品
  • マッピングに存在しない SKU を含む注文
  • Stripe との連携に失敗した注文

これらはすべて1つの警告 CSV にまとめて出力するので、見落しがありません。

9. サーバーでもローカル PC でも動作

例えば、毎月 1 日にサーバーの cron で自動実行すれば、月初に前月分の PDF が出揃った状態になります。

また、社内のセキュリティ方針で「サーバーには極力アップしたくない」という場合は、経理担当者の PC(Windows/Mac)で手動実行、またはタスクスケジューラ/cron でローカル完結の定期実行にすることも可能です。

ここがポイント

「だいたい」ではなく「正確」

Stripe の実データを 1 件ずつ突き合わせるので、金額のズレによる出店者とのトラブルを防げます。

属人化しない

担当者による「この商品は誰の取り分か」の判断をシステム化できます。

税制対応済み

インボイス制度など、日本の実務に即した計算式をあらかじめ組み込み済みです。

導入までが速い

既存の WooCommerce/Stripe 環境にそのまま追加できるため、大掛かりなシステム移行は不要です。

見える化された安全網

計算から漏れた商品・注文は警告として必ず可視化されるため、「気づかず払い損ねていた」という事態を防げます。

商慣習に合わせてフルカスタマイズ可能

PDF のフォーマット、配分比率、税率、値引きルール、書類番号の採番規則まで、すべて調整できます。「うちの会社はこの部分だけ違う」という個別事情に、テンプレートありきではなく、一つひとつ合わせて作り込むことができます。

導入支援・個別カスタマイズに対応します

もともとは当社の業務効率化の一環として開発した自動化システムですが、WordPress(WooCommerce)を利用した EC サイトを運営している方の中で、下記のようなことで困っているようでしたら、お気軽にご連絡ください。導入支援をいたします。

  • 複数の出店者・パートナーが商品を出品する EC サイトの運営者
  • インボイス制度対応の精算書発行に悩んでいる事業者
  • 月次の精算作業に多くの工数を割いている運営チーム

また、本システムは既製のパッケージソフトではなく、業務フローに合わせて調整できる仕組みとして提供しますので、配分比率、精算書のフォーマット・項目・デザイン、税率の扱いなど、柔軟に対応できます。

また、以下のようなご要望は標準構成には含まれていませんが、カスタマイズで対応可能です。

  • Stripe 以外の決済代行会社を利用している(PayPal、他社カード決済など)
  • 税率が10%以外の商品(軽減税率対象など)を扱っている
  • 送料・クーポン割引も按分計算に含めたい
  • PDF への押印・電子署名が必要
  • 生成した精算書をメールで自動送付するところまで自動化したい
  • 複数国通貨・海外向けの請求に対応したい

まずは現在の精算業務の流れとフォーマットをお聞かせいただければ、 どこまで自動化できるか、個別にご提案いたします。

ちなみにですが、WooCommerce を使用せず、Stripe 決済のみで EC サイトを運営している場合も、このシステムの導入が可能です。こちらも興味・ご関心がありましたら、お気軽にご相談ください。

注意事項

  • 日本円・国内消費税制度を前提とした設計です。
  • WooCommerce・Stripe 側の仕様変更や API 障害の影響を受けるため、 継続的なメンテナンス(動作確認・アップデート対応)を前提とした運用設計をしています。

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